伝統とこだわりを大切に守り続けているので話がとてもとても長くなってしまいます。
その辺りも先代より引き継いでしまっているので簡潔に話せるようになりたい! 三代目の幹大(みきひろ)です。
昨日の続きになりますが、挿木椿と接木椿では根が全く違います。
当園の接木椿の台木はサザンカの「勘次郎」という品種に接木しております。
分かりやすい表現として、挿木椿の根は数本の根が走ってしまいがちで、木を真上から見て放射状に広がりません。
接木椿は木を真上から見て放射状に広がり、またびっしりと細かい根(細根)を張り巡らします。
特に年数が経過した椿で、はっきりと表れます。
挿木椿の移植後によくある事として、木の脇枝が数本枯れ全体が弱々しくなってしまい葉が黄色になるという事例です。
接木椿、お値段は少し高くなりますが「長く楽しみたい」という方、「一生物の椿を」とお考えの方は是非接木苗をお買い求め下さい。
ただし、当園オンラインショップで販売している一品物挿木苗に関しては畑でしっかりと管理した良苗です。
ちなみに挿し木を良質に長持ちさせようという場合は少し手が掛かりまして・・・ この先は次の投稿にて~
お客様より「大切な椿の移植をしたいのですが」と言う質問がございました。状況的には植えて10年ぐらい(だったと思います。。少しあいまいな覚えで申し訳ない) ※苗の育て方等はホームページ内に記載があります。
また、挿木椿と接木椿では成功率が大きく変わりますのでご注意下さい。 佐藤椿園での成功率参考として挿木30%未満、接木90%以上です。
①移植の時期(的期)について。
基本は真夏以外の9月~翌年6月。ブログ(2013年8月26日参照)にも書いた事はありますが真夏でも移植は可能ですが、よほどの精通者に限ります。
3月~5月、10月~11月がおススメで、特に地植えの移植は時々降る雨の恩恵も受けられる時期なので一番失敗は少ないと言えます。
②移植前の堀上げ簡単説明。
当園オンラインショップの一品物のカテゴリに出ている地堀苗を参照(イメージ)してください。
幹の立ち上がり部分で、幹の外周をメジャー(コンベックス)等で計測します。
そのサイズの1倍~1.5倍程の半径周り(幹回り15cmでしたら直径30cm~40cm)をすり鉢状に掘り上げます。 そして根が崩れないように巻くか移植先へ移動します。
(※このあたりは植木屋、造園屋、または佐藤椿園の方に任せたほうが無難ですが。)
③移植先での作業。
しっかりと潅水し、支柱を立てて根がぐらぐらしないようにしてください。(施肥は半月以上後にする!)
そのあと、一枝に葉を6枚~8枚程度残し、すっきりと切り詰めます。
昨年2013年の春4月に移植した接木椿の参考画像。我々は樹形を整える為に強く剪定しています。
↑このように胴芽が吹き始めたら成功の目安です。(写真は2014年1月撮影)
次の年には元気に新芽を吹き、花も付けます。 これが挿木の椿だと芽吹かずに枯れてしまう事が多いのです。
話は長くなるのですが、挿木は根がまず走ってしまうので・・・ この先は次の投稿にします(笑)