久しぶりの日差しに汗をかきながら農園でみつばちの世話をしていますと、
会長がバケツを片手に椿畑へ分け入っていくのを見かけました。
声をかけると私にもバケツが渡され、椿の種子採収を手伝うことに。
椿の苗木列の間へ入ってはめぼしい実をもぎ取っていきますと、様々な違いを感じます。
例えばこの尾張五色椿の実。
花は絞りの入ったものが咲きますが、じつは実にも絞り模様が入っています。
大体にして赤色の花が咲く品種は実も赤、白い花の実は青い実がなります。
他にも、品種によって実を多くつけるもの、なかなかつけないもの、
大きな実をつけるもの、小さな実をつけるもの、それぞれ個性があります。
この陣屋の椿の実などは、大きくて楕円形をしたアボカドのような見た目ですが…
割ってみると皮が厚いばかりで中の種子は細長く、あまり油を採るのには向いていません。
逆に岩根絞りなどはとても大きな実をつけ種子も大きいので油を採るのに適した品種と言えます。
このような話を会長から教えてもらいつつ、実をもいではバケツへ放り込んでいきました。
春にこの椿が花を咲かせ、みつばちが花粉を付けて飛び回り、
それによって今椿が多くの実を付けていると思うと感慨深いものがあります。
椿が花粉をつけ花蜜をふくことでみつばちは食料を得て子供を増やし、
みつばちが花粉を運ぶことで椿は実をつけ子孫を残すことができる。
お互いのいのちを繋いでいるこの関係を見守るのが、私はとても好きです。
八開