こんにちは。農園の椿も徐々に花が咲き終わり、芽吹きの季節4月がやってまいりました。
皆さんのつばきも花が終わることで少し疲れた顔色をしているかもしれませんが、
ここからすぐに根を出し、水や肥料を上げ、芽が膨らんできています。
次のシーズンに向け準備段階となるまさに今頃が椿の剪定にはぴったりの季節なのです。
また、剪定をすることによって、木の形を整え、枝数を増やし、次のシーズンもたくさんの花を楽しめるように
期待を込めて作業しましょう。
本日は椿の剪定のコツを簡単に紹介したいと思います。
参考にする椿はこちらの「紺侘助-こんわびすけ-」です。
とても枝が混んで良い木ですが、葉色もやや黄色っぽく変化し、花も少し疲れていますね。
この椿は畑で育ったもので、鉢に上げるために剪定をしますが、基本はどの椿も同じルールで行います。
①まずは木の全体が見えるように枝を切る「透かし剪定」
交差枝や平行枝の他、立ち枝戻り枝と呼ばれる主幹(中心の一番太い枝)や
切る予定の無い太く育った外向きの枝と重なってしまう、もしくは重なってしまいそうな枝を切ります。
交差枝↓ 平行枝↓
すかしと呼ばれる剪定で、風通しが良くなるので虫も付きにくくなり、幹に光があたることで
胴芽(木の幹からピョコっと出る芽のことです)という太い幹からの芽吹きを促すことができます。
すかし剪定後↓
木を大きくしたい場合はここまでの作業で完了です。
②芽飛ばし(芽欠き-めかき-)剪定
すかしが完了すると木全体の輪郭が見えてきます。
これから木をあまり大きくしたくない場合や、このサイズ感のまま太くしっかりした木に
育てたい場合は枝先の剪定をしてゆきます。それぞれの枝の先端から数枚の葉を切ります。
この時、必ず一本の枝に葉が二枚以上残るように切り戻しをしてください。
芽吹きは葉の付け根に僅かに見えている芽から起こり、枝になってゆく為です。
葉が無い枝は枯れてしまう可能性も高くなります。
また芽吹きのあと枝の方向が上ではなく外側に延びていくように切ります。
切り戻し前↓ 切り戻し後↓
幅のある木姿にしたい場合は天芽(木の上部)周辺を重点的に切り戻しをするとよいです。
基本の剪定はここで完了です。
③根の切り戻し
管理する場所の問題で木をこれ以上大きくできなかったり、鉢の大きさを維持したい、
小さくしたいという場合は根の切り戻しを行います。
この方法で根を触る場合は木が弱る可能性が高いので、慎重に行います。
細かい根(これが重要!)を可能な限り残しつつ、優しくほぐしながら太い根を切ってゆきます。
④施肥
剪定と肥料は必ずセットで行います。
根を切ったりした場合は2~3週間程経過してから気持ち少なめに施肥をするとよいです。
以上、ちょっと玄人志向の解説になっているかもしれませんがこんな感じです(^^)
椿は細かく丁寧に剪定した分、必ず良い木になります。
難しいと感じるかもしれませんが、自分で鋏を入れた木は愛着が湧きますし、
切り花を楽しむ場合の枝を選ぶ基準も身に付きますので是非挑戦してみてください!
花も終盤ではありますが、これからが目に見えて育つ楽しい季節でもあります。
今後も椿園をどうぞよろしくお願い申し上げます。