「椿の移植」に関する質問の回答①

お客様より「大切な椿の移植をしたいのですが」と言う質問がございました。状況的には植えて10年ぐらい(だったと思います。。少しあいまいな覚えで申し訳ない) ※苗の育て方等はホームページ内に記載があります。

また、挿木椿と接木椿では成功率が大きく変わりますのでご注意下さい。 佐藤椿園での成功率参考として挿木30%未満、接木90%以上です。

①移植の時期(的期)について。

基本は真夏以外の9月~翌年6月。ブログ(2013年8月26日参照)にも書いた事はありますが真夏でも移植は可能ですが、よほどの精通者に限ります。

3月~5月、10月~11月がおススメで、特に地植えの移植は時々降る雨の恩恵も受けられる時期なので一番失敗は少ないと言えます。

②移植前の堀上げ簡単説明。

当園オンラインショップの一品物のカテゴリに出ている地堀苗を参照(イメージ)してください。

幹の立ち上がり部分で、幹の外周をメジャー(コンベックス)等で計測します。

そのサイズの1倍~1.5倍程の半径周り(幹回り15cmでしたら直径30cm~40cm)をすり鉢状に掘り上げます。 そして根が崩れないように巻くか移植先へ移動します。

(※このあたりは植木屋、造園屋、または佐藤椿園の方に任せたほうが無難ですが。)

③移植先での作業。

しっかりと潅水し、支柱を立てて根がぐらぐらしないようにしてください。(施肥は半月以上後にする!)

そのあと、一枝に葉を6枚~8枚程度残し、すっきりと切り詰めます。

切り詰めスッキリ_縮小400 実際はここの作業がカン・コツになるので結構難しい所です。

昨年2013年の春4月に移植した接木椿の参考画像。我々は樹形を整える為に強く剪定しています。

切り詰めてこれだけ_縮小400  胴から芽を吹く_縮小400

↑このように胴芽が吹き始めたら成功の目安です。(写真は2014年1月撮影)

次の年には元気に新芽を吹き、花も付けます。 これが挿木の椿だと芽吹かずに枯れてしまう事が多いのです。

話は長くなるのですが、挿木は根がまず走ってしまうので・・・ この先は次の投稿にします(笑)

 

椿な人達

椿園三代目園主 佐藤 幹大

椿園三代目園主
佐藤 幹大

椿園は昭和23年の創業以来、椿樹木を専門に生産・販売を行っています。育種家としては一重の筒咲を中心としたツバキらしい「美しい椿」の作出にも取組み、三代に渡り作り出した園芸品種椿は300品種に迫っている。代表的な作出・命名品種:千羽鶴、初音、陣屋の椿、月照など。